Science of Speed

スピードは新世代のロードバイクグループを突き動かす原動力です。だからこそ、より速さを求めてシマノのすべてを注ぎました。シマノのエンジニアは、シャンゼリゼ通りを全力疾走するときも、あるいは地元の坂道を駆け上がるときも、常に最高を提供できるよう、各コンポーネントとすべての機能を究極まで高めました。

シマノの新たな12速Di2電動ロードグループセットは、MTBシフティングに革命をもたらした実績のあるHYPERGLIDE+テクノロジーを導入しているだけでなく、ワイヤレスコックピットにサイクリング用としては最速の電子変速システムを採用し、さらなる高速化を実現しています。新しい独自のワイヤレスプロトコルは、シマノの特徴である正確で信頼性の高い変速性能を少しも犠牲にすることなく、変速速度を向上させます。バッテリー寿命もクラス最長で、1回の充電で約1,000 kmを走行することができます。

再設計された油圧ディスクブレーキは、これまでにない速度制御と制動力の理想的なバランスを実現しています。DURA-ACEおよびULTEGRAのブレーキは、メンテナンスが容易で、さらにモジュレーションとコントロール性にも優れています。新たなグループセットの仕上げとして、シマノはあらゆるタイプのライダーとあらゆる地形に対応し、剛性、エアロダイナミクス、そして軽量化を完璧に融合させたDURA-ACEホイールおよびULTEGRAホイールの新しいラインアップを発表します。革新性、信頼性、そしてコントロール性を考慮しながら、シマノの新しい12速ロードグループセットは、正確な変速と優れたパフォーマンスによって「Speed」の意味を再定義します。

シマノの新しい変速システムには、日常使いと究極のパフォーマンスの両方に適したワイヤレステクノロジーが採用されています。自転車の後部からシフトレバーを解放することで、コックピットがクリーンになり、組立工程も簡素化されます。また、ディレーラーを内部のメインバッテリーに接続することで安定した電圧が維持されるとともに、Di2をワールドツアーのプロトンの定番にした、シマノの超高速な変速をより一層向上させることにより、絶対的な信頼性を確保します。

新しいDi2デュアルコントロールレバーにはこれまでにない全く新しいエルゴノミクスが取り入れられ、ワイヤレスコマンドセンターとして機能します。シマノは、新しいDi2プラットフォームのために、高セキュリティ、高速な処理速度、低消費電力を特長とする独自のワイヤレス集積回路を開発しました。他のワイヤレスプラットフォームと比較して干渉の発生頻度は大幅に低下し、また変速速度の向上やバッテリーの長寿命化に貢献します。また、シマノは内蔵バッテリーを1つにすることで充電をシンプルにし、バッテリーを完全に保護して信頼性の高いシフト通信を確保しました。

バッテリーがジャンクションとして機能するようになったことで、配線も簡素化されました。バッテリーから出る2本のワイヤーがフロントとリアのディレーラーに別々に接続されます。このシステムでは、より軽量で配線が容易な小型のSD300ワイヤーも使用します。ライダーの要求に応えるため、またトライアスロンやタイムトライアルバイクで使用するために、完全ワイヤードオプションも用意しています。

DURA-ACEおよびULTEGRAはいずれも、スマートフォンまたはPCを使用してE-TUBEアプリから高度なカスタマイズを行うことが可能です。E-TUBEを使用すれば、ドライブトレインを自分の好みに合わせてセットアップすることができます。変速速度を調整したり、ボタン操作ごとのシフト数を変更したり、あるいはシンクロおよびセミシンクロ機能を利用することも可能です。さらに、E-TUBEを使用すれば、シマノの12速ワイヤレスドライブトレインをGarminやWahooなどのShimano Connected Partnersに接続することもできます。この接続により、シフターのボタンを使用してGPS画面をスクロールするなどの機能を利用できます。

目まぐるしく状況が変化する激しいレース環境において、一瞬のレスポンスの差によって勝敗が決することがあります。より速いシフト速度によって、サイクリストは即座に反応し、ライバルよりも一瞬速く動いて猛烈なアタックを開始。コーナー内外で自信を持って加速し、フィニッシュラインを先頭で走り抜けます。

一言で言うなら、効率性。12速カセットに移行することで、ライダーは常に必要なハイギアとローギアを確保でき、その間のギアステップも飛躍的な進歩によって賢明にコントロールできるようになります。ステップが細かくなることで、あらゆる状況下で快適なケイデンスを見つけやすくなります。この戦略的な選択の効果は、ほとんどのレースシナリオで加速が発生し、効率性が最優先される「スイートスポット」ゾーンで特に顕著に現れます。

新しいDURA-ACE Di2の12速カセットオプションには11-30Tと11-34Tが用意されており、50-34T、52-36T、54-40Tのチェーンリングと組み合わせることができます。これらのオプションは、休日だけライドを楽しむサンデーライダーからグランドツアーの候補者まで、あらゆるロードライダーのギア選択の幅を広げます。新しいULTEGRA Di2では、50-34Tまたは52-36Tのチェーンリングとペアになった11-30Tおよび11-34Tカセットが使用されます。

いずれの場合も、アップデートされたDURA-ACEパワーメーターまたはまったく新しいULTEGRAパワーメーターを組み合わせることが可能です。どちらも新しいシンメトリカルデザインと高精度を実現しています。世界のトップライダーが信頼を寄せるテクノロジーから生まれたシマノのパワーメーターは、より良いライディングのために必要なデータを提供します。

シマノはロングケージとショートケージの選択の必要性がないため、どのようなドライブトレインのセットアップを選択しても、リアディレーラーのオプションは1つだけです。新しいカセットには後方互換性があります。既存のシマノ11速フリーハブ装備のホイールを使用することができます。しかし新しいDURA-ACEホイールセット（詳細は下記を参照）に変える場合、これらのホイールにはアップデートされたフリーハブボディが組み込まれているため、新しい12速カセットとドライブトレインを使用しなければなりません。

シマノの新しいロードカセットには11本の小さな歯車があり、優れたドライブトレイン効率を提供します。これは、トップレベルのレースにおいて特に重要となります。また、12番目のスプロケットが加わったことにより、新しいDi2ドライブトレインは、あらゆる状況に対応するギアレンジを提供できるようになりました。

これら2つの新しいグループセットのバックボーンとなるのが、画期的なHYPERGLIDE+シフトテクノロジーです。シマノのMTBグループセットで最初に導入されたこの独自のチェーンとカセットのインターフェイスは、チェーンをカセットの上下にスムーズに誘導し、ペダリングの負荷が大きい状況下でも双方向への正確な変速を実現します。これはつまり、変速の際にペダリングを緩める必要がないことを意味します。また、加速時や加速を維持するためのシフト操作を行う際の衝撃に備える必要はもうありません。代わりに、HYPERGLIDE+は毎回スムーズで一貫した変速性能を提供します。

DURA-ACEとULTEGRAは、どちらもより静かでメンテナンスが容易かつ優れた制動力を発揮する新しいブレーキシステムを採用しています。それは、実績のあるシマノのサーボウェーブ・アクション・テクノロジーの導入から始まります。サーボウェーブ・アクションはMTB向けに開発されたテクノロジーで、パッドがローターに当たるまでは素早く動き、制動開始後はレバー比が変化し、ブレーキのコントロール領域を拡大させます。

新しいブレーキキャリパーは、ブレーキを離したときのパッドとローターのクリアランスを増やすことで、ローターがわずかにずれていた場合でもローターが擦れにくくなっています。さらに、シマノが推奨するMT900およびMT800ローターは軽量で、価格も抑えています。またメカニックには、よりメンテナンスしやすいブリーディングプロセスは高く評価されるでしょう。ブリーディングポートとバルブねじが分離されているので、キャリパーをフレームから取り外すことなく実行できます。

新しいDURA-ACEおよびULTEGRAグループセットのラストピースとなるのが、完全に刷新されたホイールセットのラインアップです。その最大の特徴は、カーボンリム、3種類用意されたリムの高さ、チューブレス対応（チューブラーオプションも用意）、そして剛性・エアロダイナミクス・軽量化の絶妙なバランスが挙げられます。新しいチューブレスホイールはすべてリムの内幅が21 mmで、フックビードを利用します。つまり、必要に応じてクリンチャータイヤとチューブを使用することができます。

オールラウンドなパフォーマンスを求めるライダーにとって、軽量でアクティブなC36ホイールは魅力的でしょう。長距離のソロアタックが得意な場合、新しいC50ホイールはエアロダイナミクス効率、軽量、剛性の優れたバランスを提供します。最後に、C60ホイールは絶対的な剛性を求め、あらゆるエアロダイナミクスの利点を必要とするスピードスターのために設計されています。フロントとリアの2対1のスポーク構成、厚みのあるスポーク、そして60 mmの高いリムを備えたC60 HR（High Rigidity=高剛性）は、あらゆる場面でのパワー伝達を最大化します。

すべての新しいホイールは、新たに開発されたシマノのDIRECT ENGAGEMENTフリーハブシステムの恩恵を受けます。このフリーハブシステムでは、現在のC40-TLホイールセットと比較してドライブ剛性が63%向上し、さらに45 gの軽量化を実現しています。新しいDURA-ACEホイールフリーハブでは新しい12速カセットを使用する必要がありますが、新しいULTEGRAホイールオプションには既存の11速カセットとの後方互換性があります。この点を除けば、2つの新しいホイールセットの違いは、ULTEGRAはスチール製のフリーハブボディを使用しているのでアルミ製のDURA-ACEと比較して若干重いことです。

DURA-ACE R9200シリーズとULTEGRA R8100シリーズの発売は、バイクのセットアップを容易にするため、または話題作りのために新しいテクノロジーを発表した、というような単純な取り組みではありません。これは100%パフォーマンス向上に焦点を当てた包括的なアプローチです。数年の間で、非常に多くのエンジニアリング上の決定と改良が、あなたをより速くするという唯一の目的のために行われました。これこそが「Science of Speed」であり、シマノ製品を唯一無二の存在にする思想です。