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素晴らしい写真を通してあなたのサイクリングストーリーを伝えるために

語り手:Christopher Stricklen

アドベンチャーサイクリングにぴったりの今の季節には、カメラを肩に掛けながらバイクに乗り、そのライドのすべてまたはその一コマを記録しようとする人をよく見かけます。ライディングの思い出を共有するとき、「ちょっとこの写真は写りが良くないけど」と言い訳をしてしまうことは珍しくありません。ライド中の出来事を写真やビデオで記録することは、とても素敵なエクササイズです。他のスキルと同様に、習得するには練習の繰り返しが必要です。カメラを携帯するサイクリストであろうと、面倒なことはしたくないサイクリストであろうと、写真があなたの見たり感じたりしたことを確実に表現するためには、いくつかの「専門的な手法」があります。

写真の理論と技術のブラックホールに吸い込まれるのは簡単です。そのため、私たちは露出とライティング、フレーミングと構図、ストーリーテリング、編集など、表面レベルで興味深い画像を作成するのに役立ついくつかの一般的な構成要素にこだわります。

 

露出とライティング

 

「ちょっとこの写真は写りが良くないけど」というコメントについて改めて考えてみましょう。多くの場合、こういったコメントは、写真の撮影時に省略されてしまうフィーリングの部分を露出でうまく表現できないことが原因です。人が写真をどういう風に見せたいかという点について、何かを「間違い」と決めつけることはできません。そうは言っても、カメラロールを友達と共有するときに写真を「実際の生活」のように見せるためには、適切な露出が撮影した場面でのフィーリングや感情を伝える上で最も重要な役割を果たします。

日の出や日の入りの写真は、露出で遊ぶのに最適です。オレンジシャーベット色とラベンダー色の層でできた綿菓子のような雲が地平線に流れ落ちる様子を想像してみてください。その瞬間に見たものを捉えるには、露出を調整する必要があります。これらは「ハイコントラスト」シーンです。つまり、最も明るい部分と最も暗い部分の露出値(EV)が大きく異なるのです。しかし、難しくなり過ぎない程度に技術的な話に戻りましょう。

 

iPhonographyやTikTok、Instagram、それにオートモードが全盛の時代では、私が「すべてを見る」写真と呼ぶ写真が一般的になりました。日の出のシーンで地面と空の両方が見えている場合は、少し気を付けたほうが良いかもしれません。これらは肉眼でははっきりと見ることができますが、脳はそのように見ていないのです。脳は不必要なディテールを切り捨てます。ジョークの説明をするようなものだと考えてください。言わなければならない部分と、わざわざ言わなくてもわかる部分がありますよね。写真の細部をすべて見る必要は滅多にありません。見せたい部分だけを際立たせ、他のすべてはより深いトーンと影にフェードインさせます。もしあなたがiPhoneユーザーであれば、空の部分を長押しして空の露出を設定します。本格的なカメラを使っている人であれば、空の露出を上げて残りの部分をすべて落とします。

ライティングに関しては、難しいことを考えないようにしないと一日中ここにいることになります。大抵の場合、影はあなたの友達ですが、いつもというわけではありません。影は対象物に奥行きを与えます。被写体をもっと興味深いものとしてくれることもあるでしょう。一般的に、サイクリストは照明キットを背負って走り回っていないため、主な光源は太陽になります。晴れの日や切れ切れの雲がある日には、ポートレートを撮っているときもアクションを撮っているときも、被写体に対して太陽光が斜め45度に当たるようにします。多少の調整は必要ですが、これは魅力的な写真を撮るのに役立つ簡単なルールです。ライディング中の友達を撮影する場合などは、被写体を逆光で照らして遊ぶのもいいです。こういった手法を試すことを習慣化すれば、さまざまな面白い写真を撮ることができます。

話すべきことはまだたくさんあるのですが、ここをiPhoneやカメラで面白い写真を撮るための短期集中講座と考えてください。ほとんどの人は日中にライディングを行うことが多いため、このセクションはそれを前提に書いています。しかし、明らかな事実は無視しないでください。ゴールデンアワーはあなたの友人であり、親友です。

 

構図と構成

 

写真を撮ることを語学学習に例えると、「露出」とはスペルを学ぶことです。そして構図と構成とは、文章の作り方を学ぶことに当たるでしょう。フレームに何を含めるか、また、どのような角度で撮影するかは、その写真の受け取られ方に大きな影響を与えます。

構図について私が初心者とエキスパートのいずれにも言う最初のアドバイスは、「とにかく近づいて!」ということです。かなり近づいたなと感じたら、そこからさらに近づいてください。その場所が、素晴らしい1枚を撮れるポイントです。灼熱の太陽の下で最後にライディングしたときのことを思い出してみてください。何が思い浮かびますか?汗、火照った顔、湯気、焼け付くような太陽の光、肌にかかる水晶のような水。写真のストーリーに関係する要素だけフレームに収めるのです。その他のものは外してください。

 

近づくことが大切である一方、後ろに下がることも同じく重要な場合があります。風景はどうですか?風景は見る人に伝えるべきストーリーを語っていますか?後ろに下がりましょう。イメージがフレームに収まった状態でボックスを見てください。あなたのストーリーを物語るすべての要素が、フレームの端から端までで終わっている必要があります。そこへ、写真の余白やポートレートに応じて様々なニュアンスが生み出されます。それでも一般的には、画像の中のすべての要素が意味を持つように意識しながら「フレームを埋める」ようにしてください。

構成を考えるとき、必要になるのはこの「短期集中講座」の哲学です。これはそれ自体でひとつのコースです。急な上り坂を急勾配らしく表現するには、地面に近づいて道路を入れ込んだフレーミングにするか、側面から上り坂を撮影して急勾配の輪郭を写します。曲がりくねった道路を曲がりくねったように見せるには、フレームの中で道の蛇行部分ができるだけ多く写るようにしてください。カメラを下にすると道路がフラットになってカーブが表現しづらくなるため、低くなりすぎないように注意してください。ここはできるだけ直感的にいきましょう。構図について考えだすとそれだけに夢中になってしまうことがあるため、他のすべてがうまくいかなくなった場合は、考え過ぎず「シンプルに」を心がけてください。

 

ストーリーテリング

 

一日中自転車に乗っていることを想像してみてください。あなたのライディングは、街のおしゃれなコーヒーショップから始まり、その数マイル先で友達と会い、タマルパイス山に上って、その後スティンソンビーチに降りました。ビーチに到着してから昼食をとり、それからHWY 1を南に向かって、最後にゴールデンゲートブリッジを渡って終了しました。このライディングで、2枚しか写真を撮らなかった場合どうでしょう?あなたはどのようにしてこのストーリーを伝えますか?ほとんどの場面について、効果的に伝えることはできないでしょう。つまり、聞く人があなたのストーリーの始まり、中間、終わりを感じるためには、それぞれのシーンや風景に何らかの変化があることを確認する必要があるのです。

語られるシーンは、屋内、屋外、木、ビーチ、正午、日没といった文字通りの場合もあります。一方で、ライディングの詳細に注目することもあるでしょう。タイヤに空気を入れたり、コーヒーを飲んだりランチをしたり、山を下りて家に帰ったりです。写真とは非常にエモーショナルな媒体です。信じられないかもしれませんが、人があなたの写真をどのような順番で見るかは、その人が最終的に感じることに影響します。

正直なところ、これはストーリーテリングに特に興味がある人にのみ当てはまります。写真を楽しむすべての人が、一連のストーリーのような写真を撮るように心がける必要はありません。それはまったく問題ありません。

 

編集

 

シーンの解釈は写真を撮る人によってそれぞれなので、編集を批評することにはそれほど価値はありません。このセクションでの主なアドバイスは次の通りです。良い写真をつくるために編集するならば、最初から良い写真を撮ってください。満足のいかない写真を撮ってきてしまったなと思っても、構いません。もう一度ライディングに出かけて写真を撮り直すという目的ができるからです。

写真の選択だけではなく、色補正やスポット除去などの補正についても上記と同様の意識で行う必要があります。作業を楽しんで、遊んで、あなたが好きなイメージが得られるまで、望む限りはたくさんの奇抜なことをしてください。何時間ものライディングと撮影の後に、編集にさらに何時間も費やしたくないという人は、もちろん行う必要はありません。 

 

ライディングをキャプチャする

 

写真撮影というのはひとつのスキルであり、継続的に取り組んで試行錯誤を繰り返す必要のあるものです。テクノロジーは必ずしも素晴らしい写真を撮ることを容易にするものではありませんが、一般の人にとって写真をより身近なものにしたのは確かでしょう。ライディング中の写真の要素を見ると、常に運と意図の組合わせで成り立っています。すべての変数をコントロールできるようになることは決してありませんが、多くの場合、それは楽しみの一部になる可能性があります。最も大切なのは、楽しむことです。最高の写真家は撮ることを楽しんでいて、自分がすべてを知っているわけではないことを受け入れています。だからこそ彼らは一つの考えに固執せず、常にあらゆる種類の新しい概念やアイデアを試すのです。iPhoneで撮影する場合でも、休暇中にプレゼントとして受け取ったカメラで撮影する場合でも、「これは素晴らしい写真になる」という直感を持ってシャッターを押すことが、より良い写真を撮るためのベストな方法です。さあ、写真を撮りに出かけましょう。

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