まるで、まだパリにいるかのようでした。チューリッヒで開催されたUCIロード＆パラサイクリング世界選手権では、いくつかの山々がより高かったにもかかわらず、表彰台の様子はパリオリンピックと驚くほど似通っていました。レムコ・エヴェネプールとグレース・ブラウンは、男女エリート個人タイムトライアルでそれぞれ世界タイトルを獲得し、再びその実力を証明しました。パリ、あるいはニースで始まった夢を完遂させることが、今年の世界選手権のテーマのようでした。

今年のUCIロード＆パラサイクリング世界選手権のレースとライダーたちについて、詳しく見ていきましょう！

「驚異的」という言葉でも、まだ足りない気がします。

レムコ・エヴェネプールがサイクリング界の頂点にまで上り詰めた軌跡には、畏敬の念を抱かざるをいられません。彼の自転車競技のキャリアは、2017年にヤスペル・フィリプセンとともに、タレントファクトリーとも呼ばれる地元ベルギーのチーム、フォルテ・ヤングCTで始まりました。

東フランドル地方出身（通称フランドル人）のこの若者は、2018年にU23のレインボージャージを故郷へと持ち帰りました。その後、スーダル・クイックステップのエースとして数々の勝利と表彰台を重ね、2022年のエリートロードレースで再びレインボージャージを獲得。さらに同年のブエルタでも優勝しました。また、レムコはその1年後にも、世界選手権個人タイムトライアルでレインボージャージを手に入れています。

そして2024年は、ツール・ド・フランスでホワイトジャージを、パリオリンピックで歴史的なダブル金メダルを獲得。さらに個人タイムトライアルで2年連続2度目となるレインボージャージを勝ち取りました。

「勝利」という言葉は、DURA-ACE R9200グループセットに乗るレムコ・エヴェネプールと、同義語となったようです。決して妥協しないライダーのために。レムコのために。

今年はグレースの年でした。

オーストラリアのビクトリア州出身のこのアスリートは、高校と大学時代はランナーとして活躍しました。しかし、度重なる怪我に見舞われ、2015年に自転車競技へと転向することとなったのです。驚くべきことに、それからわずか1年半で、彼女はタスマニアで開催されたマージー・バレー・ツアーで見事な勝利を手に入れたのです。

この成功により、すぐにナショナルチームにも選ばれました。その後、ブラウンはワールドツアーサイクリングチームの名門FDJスエズに加わり、あっという間に世界のトップサイクリストの一人へと成長したのです。

パリオリンピックではその実力を遺憾なく発揮し、個人タイムトライアルで金メダルを獲得。さらに、チューリッヒでもレインボージャージを勝ち取りました。グレース、おめでとう！見事な活躍でした。

知っていますか？シマノアンバサダーのフランコ・マルヴッリとソフィー・モーザーが、UCIのコースプレビューでチューリッヒのコースを走りました。ぜひご覧ください。

ツール・ド・フランス・ファム・アヴェック・ズイフトのホワイトジャージ。アンドラで開催されたUCI世界選手権のレインボージャージ。そして今度は、チューリッヒでの素晴らしいU23ロードレースでレインボージャージを獲得しました。フェニックス・ドゥクーニンクチームに所属するパック・ピーテルスにとって、本当に素晴らしい1年となりました。ただ、彼女は驚異的な才能の持ち主なので、これらは当然の結果だったのかも知れません。

オランダ人のピーテルスが初めて活躍を見せたのが2019年のシクロクロスシーンで、オランダとヨーロッパのジュニアタイトルを勝ち取りました。そして、MTBでUCIワールドシリーズで勝利し、最近ではツール・ド・フランス・ファムのステージ優勝を果たすなど、あらゆる種目でその実力を世界に示しています。

男子エリートロードレースは、素晴らしいスキルが披露される場となりました。早めの段階でのアタックが注目を集めたレースですが、マチュー・ファンデルプールはエキサイティングなゴール前スプリントを制し、見事、銅メダルを獲得しました！

今回、男子エリートロードレースの表彰台に立った全てのライダーが、シマノのScience of Speedの証明である、DURA-ACE R9200グループセットを装備していました。

プロのサイクリングは、年間を通じて行われていますが、これはアスリートだけに限った話ではありません。各レースを支える組織には献身的な人々が集い、それぞれのレースやステージは完璧に準備され、安全で公正なものとなるよう努めています。シマノニュートラルサービスのメンバーは、毎年、UCI世界選手権やパラサイクリングを含む560を超えるレースで選手を中立的にサポートするという重要な役割を担っています。

ニュートラルサービスチームの優秀なメカニックたちは、アドレナリン、技術的な知識、そしてこのスポーツへの深い愛情を織り交ぜながら、すべてのレースでワールドツアーにふさわしいパフォーマンスを発揮します。

ワールドツアーに足跡を刻み続ける、DURA-ACE。登場以来、才能あるライダーたちにパワーを与え、ロードで「最速」を目指すためのサポートを提供しています。その革新的なデザインと優れたパフォーマンスは、ライダーの限界を押し広げ、卓越性を追求するモチベーションを高めてくれます。

サイクリングの精神とは、ドラマのような展開、チームメイトの献身の精神、そして…それらを支える機材が広く知られています。しかし、今日のサイクリングの世界に思いを馳せてみると、目に浮かんでくるのは、ライダー、メカニック、ファンが人生を決定づける瞬間を笑顔で共有している姿です。年齢を問わず、インスピレーションを受けたライダー一人ひとりから島野庄三郎が堺のシマノ鉄工所の門を開いた1921年の当時までを線で結んでいったなら、その線はきっと途方もない数になるのでしょう。